CLOUDFLARE

WordPressをCloudflareへ移す4つの方法:
残す・静的化・作り直す・EmDash

脱WordPress公開・最終確認:WordPress乗り換えラボ編集部
WordPressをCloudflareへ移す4つの方法
この記事の結論

WordPressをCloudflareへ移す方法は、WordPressを残すか、やめるかでまず2つに分かれます。残すなら「Cloudflareを門番にする」、やめるなら「静的化」「作り直す」「EmDash」の3つから選びます。どの方法でも、ネームサーバーを切り替えるときのメールの設定と、フォームなど動く機能の代わりを先に決めておくのが、失敗しない近道です。

この記事は、WordPressのサイトをCloudflareで動かしたい・守りたいと考えている会社やお店の担当者に向けて書いています。乗り換え先そのものをCloudflare以外も含めて比べたい方は、WordPressからの乗り換え先5つを比較を先にお読みください。

この記事の情報について2026年10月30日時点の、Cloudflare公式ドキュメント・料金表・ブログの情報をもとにまとめています。Cloudflareの画面や無料枠は変わることがあります。作業の前に、最新の公式ドキュメントを確かめてください。

結論:「WordPressを残すか」で方法は2つに分かれる

「WordPressをCloudflareへ」と一口に言っても、中身はまったく違う4つの方法があります。最初に決めるのは、WordPressを残すかどうかです。

予約・会員・ネットショップなど、WordPressのプラグインに頼った機能を手放せないなら①、そうでなければ②〜④を検討する、と考えると迷いにくくなります。

Cloudflareへ移すと何が変わるか

① 門番にする②〜④ WordPressをやめる
得るもの怪しい通信やログイン画面への攻撃を手前で減らせる。表示が速くなることがある公開している場所でPHPもデータベースも動かなくなり、攻撃される場所が大きく減る。サーバー代が減ることがある
失うものほぼなし(設定の手間は増える)WordPressのプラグインに頼った機能。フォームやコメントは作り直しが必要
更新の手間WordPressの更新は今までどおり必要WordPressの更新からは離れられる(②は元のWordPressを手元に残すなら、その管理は続く)

4つの方法

① WordPressは残し、Cloudflareを門番にする

ドメインのネームサーバーをCloudflareに変え、サイトへの通信がCloudflareを通るようにします。主な手順は次のとおりです。

  1. Cloudflareにドメインを追加する
    ダッシュボードでドメインを登録し、プランを選びます。無料プランから始められます。
  2. DNSの設定を確かめる
    Cloudflareが今の設定を読み取って取り込みます。Cloudflareは「すべての設定を見つけられるとは限らない」としているため、今のサーバーの設定と1行ずつ見比べます。
  3. サイトの記録だけを「プロキシ」にする
    サイトの記録(ドメイン名やwww)は、オレンジの雲の「プロキシ済み」にすると、Cloudflareを通るようになります。メール用の記録は「DNSのみ」のままにします。
  4. DNSSECを使っていれば、先に止める
    ドメインを買った会社でDNSSECが有効なままネームサーバーを変えると、ドメインにつながらなくなるおそれがあります。切り替えが終わってから、Cloudflare側で有効にし直します。
  5. ネームサーバーを変える
    ドメインを買った会社の管理画面で、Cloudflareが示す2つのネームサーバーに書き換えます。反映には最大24時間ほどかかることがあります。
  6. SSL/TLSの設定を「フル(厳密)」にする
    Cloudflareは、サーバーまでの通信も暗号化する「フル」か「フル(厳密)」を強くすすめています。「フレキシブル」は、Cloudflareから今のサーバーまでの通信が暗号化されません。

WAFやログイン画面の守り方は、WordPressのセキュリティ対策で解説しています。

② WordPressを静的化してCloudflareで配信する

WordPressで作ったページをHTMLのファイルとして書き出し、そのファイルをCloudflareに置く方法です。Cloudflareの公式ドキュメントには、プラグイン「Simply Static」を使う手順が載っています。

  1. Simply Staticを入れて書き出す
    WordPressの管理画面でプラグインを入れ、「GENERATE STATIC FILES」で書き出し、できたZIPファイルを保存します。
  2. Cloudflare Pagesに上げる
    Cloudflareのダッシュボードの「Workers & Pages」で、Pagesの「直接アップロード」を選び、ZIPファイルを上げて公開します。
  3. 独自ドメインをつなぐ
    公開したサイトに、自社のドメインを割り当てます。
  4. 元のWordPressをしまう
    元のWordPressは、手元のパソコンの中や関係者しか入れない場所に移し、公開の場所からは外します。

同じドキュメントでは、WordPressのフォーム、コメント、/wp-adminなどへのリンクは使えないこと、内容を変えるたびに書き出して上げ直す必要があること、Simply Staticの無料版ではその自動化ができないことが説明されています。

③ Astroなどで作り直す

Webサイトを作るための仕組み(Astroなど)でサイトを作り直し、Cloudflareで配信する方法です。WordPressのテーマやプラグインは使わず、デザインと仕組みを一から組み立てます。記事などの中身は、WordPressから書き出して移します。

作る手間はいちばんかかりますが、そのぶん表示の速さや作りの自由度は高くなります。サイトの作りを見直したい、デザインを新しくしたい、というときに向いています。作り直しには、HTMLやプログラムの知識が要るため、多くの場合は制作会社に頼むことになります。

④ EmDashへ移る

EmDashは、Cloudflareが開発している、無料でオープンソースのCMSです。2026年9月28日に安定版の1.0が公開されました。WordPressの書き出しファイル(WXR)か、専用の書き出し用プラグインを使って記事を取り込め、添付の画像も取り込まれるとされています。

[表]4つの比較

① 門番② 静的化③ 作り直す④ EmDash
WordPress残る(公開中)手元に残すなくなるなくなる
難しさ低〜中(DNSの知識)中(全ページの確認)高(制作が必要)中〜高(見た目は作り直し)
更新のしかた今までどおりWordPressで書き、書き出して上げ直すファイルを直すか、別の仕組みで書くEmDashの管理画面で書く
攻撃される場所今と同じ(手前で減らす)大きく減る大きく減る減る(管理画面は残る)
向いているサイト予約・会員・ECがある更新が年に数回の会社案内・店舗デザインも一新したいお知らせやブログを書き続けたい

静的化しやすいサイト・しにくいサイト

②の静的化は、サイトの作りによって手間が大きく変わります。テーマの名前よりも、ページを開いたあとに、裏でWordPressと通信して中身を出しているかが分かれ目です。

しやすいしにくい
固定ページが中心の会社案内・店舗のサイト「もっと見る」ボタンで記事を読み込む、絞り込み検索がある
シンプルなテーマで、プラグインが少ないページビルダーや多機能なテーマで、動きのある部品が多い
ページの数が数十〜数百程度ページが非常に多い、URLに「?」付きの条件が多い
フォームが1つだけ会員ログイン、予約、ネットショップがある

しにくい側に当てはまる場合でも、静的化できないわけではありません。ただ、書き出したあとに表示が崩れたり、ボタンが動かなかったりする箇所が出やすいため、切り替える前に全ページを開いて確かめる時間をとってください。

静的化で動かなくなる機能と、その代わり

お問い合わせフォーム

WordPressのフォームのプラグインは、書き出したあとは送信できなくなります。代わりの方法は2つです。

どちらの場合も、迷惑な送信を防ぐために、CloudflareのTurnstileを組み合わせられます。Turnstileは無料プランで使え(1アカウント20個まで)、Cloudflareを通していないサイトにも埋め込めます。

サイト内検索

WordPressの検索は、データベースを使うため動かなくなります。書き出したページから検索用の索引を作り、ブラウザの中で検索する道具を使うか、外部の検索サービスを埋め込みます。ページが少ないサイトなら、検索をやめてメニューを分かりやすくするのも一つの手です。

コメント

WordPressのコメントも動かなくなります。会社やお店のサイトでは、コメント欄をあまり使っていないことが多いため、この機会に閉じるのがいちばん簡単です。続けたい場合は、外部のコメントサービスを埋め込みます。

移行の流れ

  1. 棚卸し
    ページの一覧、使っているプラグイン、フォーム、メールの設定(MXレコードなど)、外部サービスとの連携を書き出します。
  2. 方法を選ぶ
    手放せない機能と、更新の頻度から、①〜④を選びます。
  3. Cloudflareで試しに公開する
    本番のドメインを切り替える前に、Cloudflareが用意する仮のURLで表示とリンクを確かめます。
  4. 動く機能を置き換える
    フォーム・検索・コメントの代わりを用意し、テスト送信をします。
  5. DNSを切り替える
    メールの記録が正しいことを確かめてから、ネームサーバーまたは記録を切り替えます。
  6. 公開後の確認
    主なページ、フォームの送受信、メールの送受信、Google Search Consoleでのエラーを確かめます。

つまずきやすい点

ネームサーバー変更でメールが止まる

いちばん多い失敗です。サイトだけを見ていると、メールの設定を見落とします。Cloudflareの手順でも、MXレコードと、SPF・DKIM・DMARCの記録を確かめるよう書かれています。会社のメールがレンタルサーバーに付いているものなら、そのサーバー会社が案内しているメール用の設定値を手元に用意してから切り替えましょう。

画像やリンクのパスが壊れる

静的化すると、画像やリンクが元のWordPressのURLを指したままになっていたり、書き出しから漏れたファイルがあったりすることがあります。試しの公開の段階で、主なページの画像とリンクを1つずつ開いて確かめます。URLが変わるページは、転送(リダイレクト)の設定も必要です。

更新するたびに作業が必要になる

②の静的化では、記事を1本足すたびに、書き出しと上げ直しが必要です。更新が月に何回もあるなら、自動化の方法を用意するか、④のEmDashなど、管理画面で書ける方法を選んだほうが続けやすくなります。

本当に0円になるのか

「Cloudflareならサーバー代0円」と紹介されることがありますが、条件があります。2026年10月30日時点の公式の情報では、次のとおりです。

項目無料で使える範囲
Cloudflareの基本プラン月0ドル。WAF、無料のルールセット、DDoS攻撃への防御を含む
Cloudflare Pages公開の作業(ビルド)は月500回、1サイトのファイルは2万個、1ファイル25MiBまで
Cloudflare Workers1日10万リクエストまで。静的なファイルへのアクセスは無料で上限なし
Turnstile無料。1アカウント20個まで

次のような場合は、お金がかかります。

小さな会社案内のサイトを②で静的化するなら、Cloudflare側の料金は無料の範囲に収まることが多いはずです。ただし、移行の手間と、その後の更新の手間は0にはなりません。費用は「毎月の料金」と「人の手間」の両方で比べてください。

よくある質問

ネームサーバーをCloudflareに変えると、メールは止まりますか?

正しく設定すれば止まりません。Cloudflareは、今のDNSの設定を自動で読み取って取り込みますが、すべてを見つけられるとは限らないとしています。切り替える前に、MXレコード(メールの行き先)とSPF・DKIM・DMARCの設定が取り込まれているか、今のサーバーの設定と見比べて確かめてください。

WordPressを静的化すると、記事の更新はどうなりますか?

元のWordPressで記事を書き、そのたびにページを書き出してCloudflareへ上げ直します。Cloudflareの公式の手順では、Simply Staticの無料版では、この上げ直しを自動にできないとされています。更新が月に何回もあるサイトでは、この手間が負担になることがあります。

Cloudflare Pagesの無料プランで、どれくらいのサイトまで置けますか?

無料プランでは、1つのサイトに置けるファイルは2万個まで、1ファイルの大きさは25MiBまで、公開の作業(ビルド)は月500回までです。会社案内やお店のサイトなら、多くの場合この範囲に収まりますが、画像や記事が非常に多いサイトは事前に数を確かめてください。

お問い合わせフォームは、静的化したあとどうすればいいですか?

外部のフォームサービスを埋め込むか、Cloudflare Workers(またはPages Functions)で送信を受け取る仕組みを作るのが一般的です。迷惑な送信を防ぐには、Cloudflareの無料のTurnstile(ロボットでないことの確認)を組み合わせられます。

WordPressを残したままCloudflareを前に置くと、更新は不要になりますか?

不要にはなりません。Cloudflareは怪しい通信を手前で減らしますが、WordPress本体やプラグインの穴そのものはふさげません。更新は今までどおり続ける必要があります。

自分で移すのが難しい場合はどうすればいいですか?

まず、この記事の「移行の流れ」の1〜2(棚卸しと方法の選択)だけでもやってみてください。それだけで、どこまで自分でできるかが見えてきます。難しそうなら、当ラボの無料サイト診断で、今のサイトの作りと合いそうな方法をお返しします。

参照元

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WordPress乗り換えラボ編集部

運営:株式会社イメージ・ジャパン(1997年創立)。WordPressからの乗り換えと乗り換え後の見守りのほか、Web制作・SEO、AI導入支援、自社AIツール(VCT・Symphy・Mapvoice AI)の開発・運営を手がけています。

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