RECOVERY

制作会社と連絡が取れない!
ホームページを自分の手に取り戻す手順

脱WordPress公開・最終確認:WordPress乗り換えラボ編集部
制作会社と連絡が取れないときに、ホームページを取り戻す手順
この記事の結論

制作会社と連絡が取れなくなったら、最初に確かめるのはドメインの持ち主(名義)と有効期限です。ドメインが切れると、サイトもメールも止まり、取り戻せなくなることがあります。次に、サーバー、WordPressの管理画面、メールの順に「誰の名義で、誰がログインできるか」を確かめます。ログインできないときは、他人のアカウントにパスワードを推測して入るのではなく、契約先の会社に正規の手続きを相談します。

この記事の情報について2026年11月5日時点の、WordPress.org、Google、Cloudflareの公式ドキュメントと、e-Gov法令検索の条文をもとに、一般的な進め方をまとめています。ドメインやサーバーの手続きは、会社やドメインの種類によって違います。名義の変更や契約、制作物の権利、法律に関わる判断は、契約先の会社や弁護士などの専門家に相談してください。

結論:まず「ドメインの持ち主」を確かめる

「サイトの文章を直したいのに、作ってくれた会社に電話がつながらない」「担当の人が辞めて、誰も分からない」「個人で請け負ってくれていた人と連絡が途絶えた」。理由はさまざまでも、困りごとは同じです。自分の会社のサイトなのに、自分では触れない状態です。

このとき、いきなり「サイトをどう直すか」「作り直すか」を考える必要はありません。WordPressをやめたい人へでも触れたとおり、どの道を選ぶにも、まず管理する権利を自分の手に取り戻すことが先です。そして、その中で一番急ぐのがドメインです。

なぜドメインが一番なのかドメイン(example.co.jp のような住所)は、期限までに更新しないと使えなくなります。サイトのデータが残っていても、ドメインが切れれば誰も見に来られず、そのドメインのメールも届かなくなります。サーバーやWordPressは後から作り直せますが、ドメインは、手放すと他人に取られて戻らないことがあります。

放っておくと何が起きるか

起きることきっかけ影響
サイトとメールが止まる制作会社が払っていたドメインやサーバーの料金が止まる問い合わせも、取引先とのメールも届かなくなる
ドメインを他人に取られる更新されずに期限が切れ、別の人に登録される会社の名前のドメインで、知らないサイトが公開されることがある
攻撃されるWordPress本体やプラグイン、PHPの更新が止まる改ざんや情報漏えいの入口になる
情報が古いまま残る文章を直せない営業時間や料金、住所の誤りでお客さまに迷惑がかかる

3つめは特に注意が必要です。連絡が取れなくなった時期から、WordPressの更新も止まっていることが多いためです。2026年はWordPress本体やPHPに重大な脆弱性が見つかっており(wp2shellとは?、PHPのバージョンとサポート期限の確認方法)、更新されないサイトは狙われやすい状態です。

確認する4つのアカウント

ホームページは、別々の会社と結んだいくつもの契約でできています。次の4つについて、「誰の名義か」「誰がログインできるか」を表にしてみてください。

アカウントどこで契約しているか失うと困ること急ぐ度合い
① ドメインドメインの登録会社(レンタルサーバーの会社が兼ねていることも多い)サイトとメールの住所そのもの。期限切れで失う最優先
② サーバーレンタルサーバーの会社などサイトのデータ、WordPress、バックアップの置き場高い
③ WordPressの管理画面サーバーの中(契約ではなくアカウント)文章や画像の更新、プラグインの更新中くらい(②に入れれば取り戻せることが多い)
④ メールサーバーの付属、またはGoogle Workspace、Microsoft 365など会社のメールの送受信高い(①②と一緒に止まりやすい)

あわせて、Google Search Console(検索での表示の管理)やGoogleアナリティクス(アクセス解析)、Googleビジネスプロフィールなどを制作会社が管理していなかったかも書き出しておくと、後の作業が楽になります。

手元で探すもの

ドメインの持ち主を調べる方法

  1. 手元の記録から、登録会社を探す
    上のチェックリストで、ドメインの登録や更新のお知らせが見つかれば、どの会社で、誰の名義で登録しているかが分かります。自社に届いていれば、自社が契約者の可能性が高いです。
  2. WHOIS(フーイズ)で調べる
    ドメインの登録情報は、WHOISという仕組みで調べられます。.jp で終わるドメインはJPRSのWHOIS、.com などはICANNの検索サービスで調べるのが一般的です。登録会社の名前や有効期限が分かることが多い一方、登録者の名前や連絡先は、プライバシー保護のために伏せられていることもあります(たとえばCloudflareの登録サービスは、初期設定で公開のWHOISから連絡先を伏せています)。
  3. ネームサーバーから、サーバーやDNSの会社を探す
    DNSを調べるサービスでドメインの「ネームサーバー(NS)」を見ると、多くの場合、そのドメインの設定をどの会社で管理しているかの手がかりになります。
  4. 登録会社に問い合わせる
    契約者が自社なら、本人確認の手続きを経て、ログイン情報の再発行や登録メールアドレスの変更を相談できます。契約者が制作会社なら、契約書や支払いの記録をそろえたうえで、どんな手続きがあるかを確かめます。
名義を変えると、しばらく他社へ移せないことがあるCloudflareの公式ドキュメントでは、.com などのドメインについて、ICANNの決まりとして「登録者の名前・組織・メールアドレスを変えてから60日間」と「登録や移管から60日間」はほかの登録会社へ移せないと説明しています。名義を自社に変えた直後に別の会社へ移す予定なら、この期間を見込んでおきます。

有効期限が近い場合は、名義の整理より先に、まず期限切れを防ぐことを優先してください。どう払えば更新できるかを、登録会社に相談します。

ログイン情報が分からないとき

サーバー

契約者が自社なら、サーバーの会社の「パスワードを忘れた」手続きや本人確認で、ログインできるようにする道があります。契約者が制作会社の場合は、制作会社の協力を得るか、難しければ新しいサーバーを自社名義で契約し、そこへサイトを移す(あるいは作り直す)ことを考えます。移し方はWordPressの引っ越し完全ガイドで解説しています。

WordPressの管理画面

WordPress.orgの公式ドキュメントは、パスワードの再設定の方法を、残っている権限に応じていくつか案内しています。

手元にある権限使える方法
管理者のメールアドレスが自社のものログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から再設定メールを受け取る
別の管理者アカウントで入れる「ユーザー」→「ユーザー一覧」から対象のユーザーを開き、新しいパスワードを作る
サーバーの管理画面に入れるデータベースの管理ツール(phpMyAdminなど)やWP-CLIで、パスワードを書き換える

データベースを直接書き換える方法は、間違えるとサイトが壊れることがあります。公式ドキュメントも、自信がなければ助言を求めるよう注意しています。作業の前にバックアップを取り、不安なら専門の会社に頼んでください。

メール

メールがサーバーの付属なら、サーバーを取り戻せばメールの設定も触れるようになります。Google Workspace や Microsoft 365 を制作会社の名義で契約していた場合は、それぞれの会社の手続きに従います。メールを移すと、しばらく届かない時間が出ることがあるため、取引先への連絡も考えておきます。

やってはいけないこと

制作会社のアカウントに、無断でログインしない不正アクセス禁止法は、アクセスを管理する人や、そのIDの持ち主の承諾を得ずに、他人のIDとパスワードを入力して、制限された機能を使える状態にすることを「不正アクセス行為」として禁じています(第2条第4項・第3条)。違反すると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(第11条)。自社のサイトのためであっても、制作会社名義のアカウントにパスワードを推測して入ったり、昔聞いたパスワードを試したりすることは避け、契約先の会社に正規の手続きを相談してください。どこまでが許されるかの判断は、弁護士に相談してください。

制作会社に連絡がついたら、渡してもらうもの

取り戻した後にやること

  1. すべてのパスワードを変える
    ドメイン、サーバー、WordPress、データベース、FTP、メールのパスワードを、新しく作り直します。
  2. 登録メールアドレスを自社のものにする
    ドメイン、サーバー、WordPressの管理者のメールアドレスが制作会社のままだと、更新のお知らせや再設定のメールが届きません。
  3. WordPressのユーザーを見直す
    知らない管理者や、使わなくなったアカウントは、権限を下げるかパスワードを変えて使えなくし、動作を確かめてから消します。
  4. Search Consoleの所有者を見直す
    Googleは、所有者を外しても、その人の確認用のファイルやタグがサイトに残っていると、所有権を取り戻せてしまうと説明しています。「ユーザーと権限」で外したうえで、使われていない確認用のトークンも消します。覚えのない所有者がいる場合は、サイトが乗っ取られている可能性もあります(乗っ取りを確認する方法)。
  5. ドメインの自動更新と支払い方法を設定する
    自社のカードや口座で払う設定にし、更新のお知らせが届くメールアドレスを、担当者が変わっても見られる共有のアドレスにします。
  6. バックアップを取り、更新の状況を確かめる
    WordPress本体・テーマ・プラグイン・PHPのバージョンを確かめ、古いものから更新します。更新で表示が崩れることもあるため、バックアップを取ってから進めます。

ここまで終われば、ようやく「このまま続けるか、仕組みを変えるか」を落ち着いて選べます。自分たちで更新を続けるのが難しそうなら、WordPressからの乗り換え先5つを比較で、守る手間の少ない方式を比べてみてください。

二度と同じことにならないために

よくある質問

制作会社が廃業していました。サイトはもう取り戻せませんか?

取り戻せる場合も多くあります。ドメインやサーバーの契約者が自社なら、それぞれの会社の本人確認を経て、自分でログインできるようにする道があります。契約者が制作会社だった場合は、契約書や支払いの記録をそろえて、ドメインやサーバーの会社に手続きを相談します。どちらの場合も、早く動くほど選べる道が多くなります。

ドメインの名義が制作会社になっていました。自社に移せますか?

名義を変える手続きには、多くの場合、今の名義人(制作会社)の同意が必要です。連絡が取れない場合の扱いは、ドメインの種類や管理している会社によって違うため、契約書や支払いの記録をそろえて、ドメインの管理会社に相談してください。名義を変えると、一定期間ほかの会社へ移せなくなる決まりがあるドメインもあります。

WordPressの管理画面のパスワードだけ分かりません。どうすればよいですか?

ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から、登録しているメールアドレスに再設定のメールを送れます。そのメールアドレスが制作会社のものだと届かないため、その場合はサーバーの管理画面に入れるかを確かめます。サーバーに入れれば、データベースの管理ツールなどから再設定する方法が、WordPressの公式ドキュメントで案内されています。

前の制作会社のアカウントは、すぐに消したほうがよいですか?

取り戻した後は、使わないアカウントを残さないのが基本です。ただ、いきなり消すと、そのアカウントで書いた記事の扱いを聞かれたり、制作会社の仕組みで動いていた機能が止まったりすることがあります。まず権限を下げるかパスワードを変えて使えなくし、サイトが問題なく動くことを確かめてから消すと安全です。

制作会社に作ってもらったデザインや文章を、別の会社で使い続けてもよいですか?

制作物の権利がどちらにあるかは、契約の内容によって変わります。まず契約書や発注書を確かめてください。はっきりしない場合や、作り直しや大きな改変を考えている場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

取り戻した後、そのままWordPressを使い続けても大丈夫ですか?

まず、WordPress本体・プラグイン・PHPがいつから更新されていないかを確かめてください。連絡が取れなかった期間、更新も止まっていた可能性が高いためです。古いまま公開を続けるのは危険です。自分たちで更新を続けられるかどうかで、続けるか、仕組みを変えるかを決めるとよいでしょう。

参照元

どこまで自分で取り戻せるか、一緒に確かめませんか

URLを送るだけで、外から確認できる範囲で、ドメインやサーバーの状況と、次にやるべきことをお返しします。

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WordPress乗り換えラボ編集部

運営:株式会社イメージ・ジャパン(1997年創立)。WordPressからの乗り換えと乗り換え後の見守りのほか、Web制作・SEO、AI導入支援、自社AIツール(VCT・Symphy・Mapvoice AI)の開発・運営を手がけています。

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